地政学の基礎を分かりやすく説明。営業マンにも必要な知識です!

 

TERUです。

 

今回の記事のテーマは

【地政学】

 

「地政学とは?何それ???」

という方は多いと思います。

 

僕も日本にいた頃はその存在すら全く知りませんでした。

「地政学」という学問の存在を知ったのは、15年前。

オクラホマの経営大学院(ビジネススクール)で
国際ビジネスを教わっていた教授と話をしていた時に、

「地政学(英語ではGeopolitics)を学ぶと、様々な視点で世界情勢を見ることが出来るよ」

と言われたのがキッカケでした。

 

最近は、日本の本屋でも「地政学」に関する本は並んでいるようですし、
アマゾン(日本版)のランキングなどでも見かけますね。

でも、日本で小学校~大学まで歴史学や経済学、哲学などを学んでも
「地政学」というものは耳にしません。

そこで、今回の記事では地政学についての基礎知識を書きたいと思います。

 

また、地政学は営業マンは必須の学問だと思っています。

なぜなら、
「感情に流されず、冷静かつ俯瞰的に現実をとらえる」
ことが、営業マンには欠かせないスキルの1つだからです。

僕がそのように言う理由も、今回の記事を読んでいただければ、理解していただけると信じております。

 

 

【目次】
1.地政学とは、どんな学問なのか?
2.地政学の歴史~地政学の成り立ち
3.ドイツ、イギリス、アメリカの地政学とは?
4.日本では、何故学ばないのか?
5.何故、地政学を学ぶ必要があるのか?

 

1.地政学とは、どんな学問なのか?

まず、言葉の定義ですが、

地政学=「地理+政治」(英語ではGeopoliticsと言います)

です。

まず「地政学とは?」という言葉の定義からやっていきましょう。

 

地政学とは?(世界第百科辞典)
地理的諸条件を基軸におき,一国の政治的発展や膨張を合理化する国家戦略論が地政学である。
地政学という名称を最初に用いたのは(1916),スウェーデンの学者チェレン(ヒェレン)Rudolf Kjellén(1864‐1922)であったが,
内容的にはドイツのF.ラッツェルが,すでに生存圏肯定の理論として哲学者カントの政治地理学を再編成し直し,ドイツの植民地拡大政策の根拠づけを行っていた(1889)。
ラッツェルとチェレンの生存圏,自給自足,大陸国家優先の地政学は,ドイツのK.ハウ スホーファーによって受け継がれた。

との説明があります。

ただ、これだと何を言ってるのか分からないですね(笑)
僕は、何度読んでも頭に入ってきませんwww

 

そこで、皆さんがネットで調べことをする時に多用するであろうWikipediaには、どう説明しているのでしょうか?

地政学とは?(wikipedia)
地理的な環境が国家に与える政治的、軍事的、経済的な影響を、巨視的な視点で研究するものである。
イギリス、ドイツ、アメリカ合衆国等で国家戦略に科学的根拠と正当性を与えることを目的として発達した。

これだと、だいぶ分かりやすいですね。

 

さらに、分かりやすく説明してみましょう

地政学とは?(TERU)
国と国が政治的、経済的、軍事的政策を通じて、自国の利益になるような条約を結んだり、協力関係を構築したり、移民政策などを作ったりしていう事を研究する学問。
また、地理的条件から各国の関係性が見えてくる。

 

凄く簡潔に言うと、、、

【国と国のパワーバランスを研究する学問】

と言ってもいいです。

世界はパワーバランスで成り立っています。

そのパワーバランスを見ることで、
・為替の動き
・株の動き
・商品の値段
などすら見ることが出来るようになる。

 

また、地政学とは、「地理的条件」が国家に与える
「政治」
「経済」
「軍事」
的な影響だけでなく、

「歴史」
「文明」
「宗教」
「哲学」
なども密接に連動している学問です。

なので、地政学を学ぶ事で、様々な事が見えてくるようになります。

 

そして、とある事柄(前回の記事では韓国の例を挙げました)が起こると、
そこから派生してどんな事が起こりえるか?
を確実ではないですが、ある程度の予想を立てることが出来るようになります。

今回、僕が大統領選挙でトランプが勝つ。と言っていたのも、
この地政学的視点から見ていたのも原因の1つです。

 

 

2.地政学の歴史~地政学の成り立ち

 

「地政学とは何か?」が分かりましたでしょうか?

次からは

何故、地政学という学問が出来上がったのか?

を説明していきたいと思います。

「大航海時代」

この言葉は一度でも歴史を学んだことがある人は耳にした事があると思います。

 

「大航海時代」とは、15世紀半~17世紀半まで続いたヨーロッパ人による、
インド・アジア大陸、アメリカ大陸などへの植民地獲得競争をかけた海外進出の事です。
※この「大航海時代」という言葉自体が、ヨーロッパ史観から由来する言葉である事は頭に入れておいたほうがいいです。

 

この国家的規模で収集された世界の各地域に関する”地理的”な知識が整理され、
これを地理学として体系化する事から地政学はスタートしています。

 

その地理的知識にプラスして、その土地には

・どのような地下資源が眠っているのか?
・どのような人が住んでいるのか?
・どんな宗教が存在するのか?
・どのような思想を国民は持っているのか?
・どのような歴史的背景があるのか?

といったような事も徹底的に調べあげ、

その土地、人を支配する学問

として発展していったのです。

 

人類は、700万年前にアフリカで誕生し、
ホモサピエンスに進化し、
10万年前にはユーラシア大陸を通って、
アメリカ大陸まで拡散していった、と言われています。

人は何万年もの時間をかけて移動をしてきました。

 

ですが、国はそう簡単には移動できませんよね?

土地には
・人が生まれ、
・宗教・哲学が生まれ、
・文明が生まれ、
・文化が育って、
・歴史を作っていきます。

その「地理的条件」が、政治、経済、軍事、歴史、文明、宗教、哲学に大きな影響を与えている

というのを体系化していったわけです。

 

「地理+政治+軍事」の関係性については、
古代ギリシャの時代から書かれています。

その後、大航海時代を通じて、更に多くの要因と
その関係性が世界規模の広がりを見せたのです。

 

 

3.ドイツ、イギリス、アメリカの地政学とは?

地政学とひとくくりに言っても、
地政学は大まかに大きく2つに分けることが出来ます。

①大陸系地政学
②海洋国家地政学

 

大陸系地政学

大陸系地政学は、ドイツで生まれました。

【ドイツの地政学】
ドイツは、ヨーロッパの中央部に位置するという地理的条件から
「30年戦争」
「北方戦争」
「隣国ポーランド王国滅亡の悲劇」
「ナポレオン戦争」
などなど・・・
他国軍による国土の破壊を、何度も経験してきた歴史があり、
それが地政学の発展をうながしてきたと言われています。この大陸系地政学は、近代の地政学として
ナチス・ドイツの帝国主義の政策に大きな影響を与えたとも言われています。実際、「わが闘争」の中身は、ミュンヘン大学の
地理学と軍事学の学部長であったハウス・ホーファーの
(彼独自の)地政学の理論が影響を与えています。

 

 

海洋国家地政学

一方の海洋国家地政学は、イギリス、アメリカを中心に発展しました。

【イギリスの地政学】

イギリスはランドパワー理論を展開しました。

ランドパワー理論とは「地上の7割は海ではあるが、人間の生活基盤は陸である」という考え方です。

その広大な陸地を支配している国家(ロシア)を最大の敵国とみなしました。
その結果、ロシアの南下を防ぐために境界となるエリアに植民地を作ってきました。
インドはその典型的な例です。
日露戦争でイギリスが日本を助けた理由も、これが分かると理解出来るのではないでしょうか?

 

【アメリカの地政学】

アメリカは海洋戦略(シーパワー理論)の視点から
「アメリカはイギリスに匹敵する強国になるために、海軍力を強化し、海上交通路を確立するべきだ!」
という考えが生まれました。

そして、パナマ運河を支配下にいれ、ハワイ、グアム、フィリピンなどを管理下に起き、
オイルのシーレーンも支配しています。

ただ、このシーレーンはシェールオイルの存在と、
今回のトランプ大統領の出現で大きくその支配力が変わる可能性があり、
それが中東問題、中東とヨーロッパ関係、強いては日露関係、日中関係の問題までも波及しかけています。

 

 

地政学に関する各理論を唱えたのは、

・ラッツェル(ドイツ)
・ハウスホーファー(ドイツ)
・マハン(アメリカ)
・マッキンダー(イギリス)
・スパイクマン(アメリカ)

などがいますが、一番著名なのはマッキンダーですね。

こちらの本は、マッキンダーの「マッキンダーの地政学―デモクラシーの理想と現実」です。
320ページありますが、読み応えのある本です

 

4.日本では、何故地政学を学ばないのか?

実は、日本では戦前から「地理=地政学」を研究する人も多かったのですが、
敗戦とともにGHQから「日本の軍国主義を推し進めた理論である」
として重要な書物、危険な書物として焚書(ふんしょ)されてしまいました。

自分達が同じシーパワーの国として海外進出するために作り上げた学問であり、
そのアメリカから日本は多くを学んだのですが、それを「危険」としたのです。。。

 

それによって、日本の地政学研究は終わってしまいました。

GHQによる戦後教育については、こちらの記事でも触れています。

日本人としての基礎知識~「建国記念の日」について

 

 

5.何故、地政学を学ぶ必要があるのか?

 

地政学は、

地理的条件から、

・政治
・経済
・軍事
・歴史
・文明
・宗教
・哲学

に大きな影響を与えます。

 

日本の教育の現場では、地理は地理、歴史は歴史、経済は経済、、、
と言った風にそれぞれを別個で教え、それぞれがどのような密接な関係があるのか?
に関しては何も教えていません。

 

しかし、諸外国では「地政学」は1つの学問として学びます。

 

そこで生まれる考え方の違いが

「リアリズム」vs「理想主義」

です。

諸外国では、このような学問を学ぶことにより、

「感情」をひとまず置いておいて「リアルな視点」で物事を捉える訓練

をします。

 

一方、日本ではどうでしょうか?

「感情」で物事をとらえる理想主義が先に来る

事が多くないでしょうか?

 

理想主義が決して悪いというのでないのですが、
世界の主要国の考え方とは、大きな隔たりがあります。

そんな状態では各首脳間での「話し合いのテーブル」で結論が出るわけはありません。

 

日本の政治家の中では、麻生太郎さんが地政学的な考え方を持った唯一の方ですね。

麻生太郎さんの本で、「自由と繁栄の弧」という本があります。
この本は、必読の一冊です。

 

 

お隣の半島で、こんな事が起こったら??

あくまでも、これは僕個人の予想ですが・・・

お隣のK国が、北C鮮に擦り寄って、北優位の併合の方向性に向かうことになると思います。

そして、朝鮮半島に(北主導の)統一国家が、10年以内に誕生するでしょう!

 

その時に予想される事。
それはお隣のK国からの「難民」流入です。

 

その時には、大手マスコミや、一部政治家(蓮〇さんとか、福〇みずほさんとか、枝〇さんetc)が声を大にして

「難民は受け入れるべきだ!」

と言うでしょう。

世論も、感情に流されて「かわいそうだから引き受けよう」となるでしょう。

 

しかし!!

実際に感情を抜きにしてリアルな視点で考えたときに、

・宗教的に
・哲学的に
・軍事的に
・政治的に
・歴史価値観的に

そして、実際のリアルな自身の生活を考えたときにどうでしょうか?

それは、今のヨーロッパでのシリア難民問題を見れば明らかです。

 

 

僕は、今までトランプ大統領誕生に関連して、

【2016アメリカ大統領選挙】マスコミがトランプを勝利させた

【2016アメリカ大統領選挙】何故トランプは勝てたのか?3つのポイント

トランプ大統領による不法移民政策。レストラン業界への影響は?

を書いてきました。

 

また、

「シェールオイルが大きなキーになります」というテーマでこちらの記事(石油利権をめぐる世界情勢)を書きました。

石油問題、これは単に中東の問題ではなく、
・シーレーンの問題
・中国との関係
・中東とヨーロッパの問題
・ロシアと日本の問題
と全てが連結していて、1つの事柄が日本の石油の値段だけでなく
輸入・輸出にも大きな波及をしていきます。

決して、他の国で起こっている事は「対岸の火事」ではありません。

リアルな視点+グローバルな視点」で見ることが、自分の生活にも直結してきます。

 

 

今回の記事が参考になれば幸いです。

 

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5件のコメント

  1. 初めまして。
    突然のコメントお許しくださいませ。
    昨年、療養中にネットサーフィンからこちらのHPに辿り着いたnatsukiと申します。
    地政学で検索させていただいておりました。
    その際、ざっと拝読させていただきとても分かりやすい説明にこちらのサイトで勉強させていただけたらと思っておりました。
    ところが、年が明け、改めてお伺いすると内容が表示されなくなっておりました。
    タイトルこそ表示されるものの、プロフィールの詳細も、パソコン、スマフォともに内容が表示されなくなっている状況が続いております。
    その原因が、私自身のネット環境のせいなのか分かりかねますが、管理人であるTERUさまの動作環境としては表示されておりますでしょうか?
    お忙しいなか大変恐れ入りますが、もしお時間が許されるようでしたらそちらの動作環境では表示されるなど、何か一つでも情報をいただけますと幸いに存じます。
    地政学に関する内容や、人気記事にアクセスさせていただきたいです。
    何卒、よろしくお願い申し上げます。

    以上、コメント差し上げました。

    1. natsukiさん
      こちらのWP,サーバーの問題でした。
      返信が遅れてしまい、申し訳ございません。
      解決済みです

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