石油利権とシーレーン。日本はロシア、中国とはどのように付き合い、世界を見ていくべきか?

TERUです。

僕は、毎日ワシントンDCで様々なガソリンスタンドのガスの値段をチェックしています。
毎日チェックしているからこそ見えてくるものがあります。

「あれ?急にガソリンの値段が下がったぞ」
「あれ?またガソリンの値段が上がったぞ」

そんな値段の変動があったときには、何かしらのニュースがあるのではないか?
とすぐにiPhoneでCNNやFOXなどのニュース記事を見るようにしています。

残念ながら、日本のニュース記事の海外情報はCNNやFOXなどの2次情報になっていることが多く
あまり参考にはしていません。。。

こちらは、先日のワシントンDC内のとあるガソリンスタンドの値段です
物価が高いDC内でも特に値段が高いガソリンスタンド

 

ガソリンに関しては、こちらの記事を参考にして下さい。
灯油、ガソリンの値段は何故上下するのか?シェールガスの今後にも注目

今回の記事では、
・石油利権と世界の繋がりを地政学的な視点で見る事
・僕が見ている、今後の世界の未来をみるポイント
に関して、お話したいと思います。

 

【目次】
1.石油利権と世界情勢を見るためのニュースの見方
2.今後の世界の4つの未来予想
3.まとめ

 

1. 石油利権と世界情勢を見るためのニュースの見方

記事を読むときの注意点シェールガスの発見により、石油を巡る世界情勢は大きく変化しました。

それを説明するために、こちらの図を(字は汚いですが)書いてみましたw

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シェール石油発見により、①~④の流れが出来上がりました。

プーチン大統領が北方領土問題を持ち出し始めたのは、こういう流れがあったという見方も出来ますよね。
これが、まさに地政学的な世界情勢&ニュースの見方です。
(これが全て正しいとは限りませんが、こういった形で俯瞰的な物事の捉え方をする事は非常に大事です)

 

2.今後の世界の未来を見る4つのポイント

今後の世界の未来を見るポイント①:ロシアと日本との関係(北方領土問題)

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こちらの図にもあるように、ロシアと日本の関係における一番の問題は「北方領土問題」です。
ただ、ロシアも北方領土をタダで返すわけにはいきません。何故でしょうか?

もし返した場合、アメリカ軍が北方領土に基地を置く可能性があるのです。
ロシア側からしたら、それだけはどうしても避けたい。そして、日本サイドから考えると「もしロシア東部に眠る天然ガスが手に入るなら、わざわざガスを液体にしなくてもパイプラインを作って、そのまま輸入できる!」という利点もあります。

 

この両者の思惑がどうなっていくのか?
12月上旬のプーチン大統領が山口県で安倍首相との会談でどのような話し合いがなされるのか?それに注目です!!!

 

今後の世界の未来を見るポイント②:ロシアのシベリア開発(中国との勝負)
【注目ポイント①ロシアと中国の関係】

ロシアと中国の関係

ロシアとドイツを中心としたユガンスクネフテガス(=プーチンの策略により解体された民間石油資本ユコスの生産子会社)買収計画をアメリカにより阻止された事がありました。
その時、プーチンに手を差し伸べたのは中国の国営石油会社CNPCでした。

そういった歴史があり、プーチンは石油に関しては中国に頭が上がらない状態にあります。

 

【注目ポイント②シベリアにおける中国人の問題】

国というレベルでは、決して悪いものではありません。
しかし、こういった国の思惑とは別に、シベリアで問題となっている事があります。

それは、中国人によるシベリアの土地占拠問題です。
ロシアは中国に対してシベリアの土地を合法的(49年の長期契約)に中国に貸し出しました。
彼らは森を自分の所有であるかのように扱い、幾度と無く地元の森林治安部と衝突しているようです。

実際にシベリア地域には大量の中国人が不法移民としてやってきて、シベリアの人口比で中国人が多くなっていて、シベリアがロシアでなくなる懸念があるようです。
シベリアにおける中国人の問題

更に、ロシアの極東での要基地であるウラジオストックでも同様の問題が起こっています。
「この土地は元々我が中国の領土であり、返還すべきである!」
と不法移民者たちが現地のロシア人に詰め寄り、問題となっています。

 

中国が、プロパガンダにかける金額というのは凄い額です。

プロパガンダに関しては、こちらの本で勉強するのがいいです。

プロパガンダ―広告・政治宣伝のからくりを見抜く

この本は、出版が1998年と古いですが、その内容は「素晴らしい!」の一言です。
僕自身、この本を日本の大学の卒業論文「アメリカの湾岸戦争におけるメディア戦略とは?」で参考にしました。
ただし、この本は「悪用厳禁!」と言いたい位の内容です。

騙す側の心理を知ることで、自己防衛も出来ますし、プロパガンダを上手に使えば「人を上手に動かす(=マーケティング)」事が出来ます。

【注目ポイント③中国人がどうやって中華街を作っていくか?】

中国人がどうやって中華街を作っていくか?

中国の歴史的に、
①中国企業は現地で仕事をスタートさせると現地人を雇わない。
②中国人を大量に本土から呼び寄せて中国人だけで仕事をする。
③そして仕事が終了しても、その殆どが不法滞在を続ける。

その結果、チャイナタウンが出来上がり、中国人が増えていくのです。
(これはアフリカの例を見ても明らかです)

プーチンは、
「こんなんだったら、中国と組むのではなく信頼できる国(日本)と組んで、日本の信頼できる技術力とジャパンマンーでシベリアを開発して欲しい!」
と考えているのではないでしょうか?
でなければ、今まで頑なに応じてこなかった北方領土問題を解決しようとは思わないはずです。

 

今後の世界の未来を見るポイント③:アメリカの力がアジア圏での弱体化したら?シーレーンの重要性

アメリカの力がアジア圏での弱体化した時の、シーレーンの重要性

トランプ次期大統領が、今後アジアでのアメリカの立ち位置をどうするかによって、アジアでの政局が大きく変わってきます。

今、東アジア、南シナ海で何が起こっているでしょうか?
中国が、違法に南シナ海問題を引き起こし、更にインド近くには中国海軍が停泊できる港を急ピッチで作っています。

このまま中国がシーレーンを確保したら、日本は完全に中東からの石油ルートを中国に支配されることになってしまいます。

 

【日本の対露、対中の思惑は?】

ガスに関しては
①ロシアとの北方領土問題が解決して、ロシアからの天然ガスが供給される
②アメリカからのシェールガスが問題なく供給される
③中東からの石油ルートを絶つ訳にはいかない
という3つの確保ルートは保っておきたいですよね!

また、政治面では日本は
①トランプに日米安保の重要性を説き、
②プーチンとの関係を来月の会談で良好にしなくてはいけません!

※南シナ海問題に関して、大前研一氏のブログが凄く参考になるのでリンクを貼っておきます。「『南シナ海仲裁裁判』敗訴した中国が引き下がらない理由

 

今後の世界の未来を見るポイント④:電気自動車の需要増加とリチウム電池の供給(アンデス諸国の台頭)

電気自動車の需要増加とリチウム電池の供給によるアンデス諸国の台頭(濃色:加盟国、薄色:準加盟国、青:オブザーバー加盟国)

今後(近い未来)、電気自動車の普及は進んでいくと思います。
その中で注目すべきは、「他の燃料(リチウム電池)」の存在です。

 

今現在、世界のリチウム供給をほぼ独占しているのはアンデス諸国です。
今後は、彼ら(アンデス諸国)への依存度が進んでいく事は、容易に想像がつきます。

石油、天然ガス以外の選択肢が増えると言うことは、地政学的にも南米諸国の動向に注目しなくてはいけません。
そういった目で今後南米(特にアンデス諸国)に関するニュースを見ることが大事になっていきます。

※アンデス諸国(アンデス共同体)に関しては、wikipedia外務省の説明を両方載せておきます。

 

3.まとめ

今まで説明してきたように、石油時代がスタートしてきてから、
『石油、天然ガスは世界各国の利権、外交政策と密接に』繋がってきました。

これは地政学的にも明らかで、今後もこの流れは変わりません。
地政学という学問を勉強する事のメリット。

それは、こちらの記事(地政学の基礎を分かりやすく。世界の見方がガラッと変わります! )で書いたように
「物事を俯瞰的に見て、世界情勢を地球儀のように見ることが出来る」
を実現できます!!

今後、

・ロシアの世界戦略
・中国の世界戦略
・アメリカの世界戦略
・中東を地政学的に見る
・日本を地政学的に見る

等の記事を随時アップしていきます!!

 

また、ロシア(プーチン)の世界戦略に関しては、こちらの本がかなり面白かったです!!
今、色々とロシアに関する本が出ていますが、この本を読めば大丈夫です!!

プーチンの国家戦略 岐路に立つ「強国」ロシア

 

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