TERUです。
「根付(ねつけ)」というものを御存知でしょうか?
根付は、ユーモア溢れる日本独自の工芸品です。
江戸時代の庶民は、印籠やタバコ入れを帯に引っ掛けるため紐を端にかける根付を必要としました。
(根付は、このように使います)
今、ワシントンDCの在米国日本大使館広報文化センター(JICC)で、根付展が開催されています。
素晴らしい伝統工芸であるにも関わらず、あまり認知されていない「根付」
そこで、「根付」に関して基本的な事、今回のJICCの展示の様子をまとめてみました。
【目次】
1.根付とは?
2.サザビーズで落札された根付の値段は、なんと。。。
3.JICC主催の根付展で展示されている根付の数々
日本人が着物を日常的に着ていた江戸時代。
お金を入れるための巾着や、たばこ入れや印籠(水戸黄門でおなじみですね)などを帯から提げて持ち歩きました。
それらの提げ物(さげもの)が落ちないように紐で留め具に結び付けて着用していました。
その留め具を根付(根附、ねつけ、ネツケ、根付け、Netsuke)といいます。
主な素材は、「象牙」「ツゲの木」など。
テーマは、和漢の故事、伝統、花鳥風月、ユーモアあり、グロテスクなど多岐にわたります!
【携帯ストラップのキャラクターの元祖】
携帯電話に付けるケータイストラップのキャラクター人形は、日本の江戸時代に起源を発します。
根付は、身近な動植物や架空のキャラクターなどを題材に、一個一個職人がアイデアをこらし、技巧の限りを尽くし、命を吹き込んだものです。
しかし、根付は明治時代になると滅びてしまいました。。。。
そして現代日本に「携帯ストラップのキャラクター」という形で復活することになります。
細部にこだわる日本人の繊細さ
コレクションとして他人との差別化を競う粋な心
これらは、江戸から平成へとしっかり受け継がれています!!
【手のひらの上の小宇宙と呼ばれる根付】
「手のひらの上の小宇宙」と言われる根付。
職人達が、気を競い、域を争ったデッサンは、日本人独自の小宇宙を見事に表現しました!
その小さな世界は、「実用性と芸術性をともに実現しようとした職人の心意気」が、生み出したものだったのです。
今回の展示で、僕が気に入った根付の1つ「日本庭園と灯篭」
この小さな世界の中に、どこか懐かしさと落ち着きを与えてくれる「まさに小宇宙」ですね^^
浮世絵同様に、明治になって大量の貴重な根付が海外に流出してしまいました。。
今回の展示は、ジョンズホプキンス大学所有の根付(17世紀~19世紀の作)です。
この独特の世界観を表現した根付は、特に欧米での根付の人気は一大マーケットを形成するほど定着しています。
【サザビーズで落札された根付】
現在も操業する世界最古の国際競売会社であるサザビーズに、根付が出品された事がありました。
その落札価格は、なんと1個4000万円!!!(当時のレートで)
【根付取引史上の最高額の根付】
根付取引史上の最高額といわれている「海女と烏賊」(無銘、象牙、10.5cm)の根付があります。
この根付は、1983年にハワイのOriental Treasures and Points West(ディーラー)で取引されました。
値段は、、、
約6,250万円(当時のレートで)
もう、想像が尽きませんね。。
JICCとは、ワシントンDCにある「在米国日本大使館広報文化センター」の名称です。
主に日本紹介を目的とした各種広報文化活動を行なう大使館の附属施設になります。
住所:1150 18th Street NW, Suite 100 | Washington, D.C. 20036
色々な展示を開催しているのですが、今回の根付展は必見です。
【JICCの根付展示の様子】
【JICC展示の根付紹介(一部)】
今回の展示は、5月15日まで開催されています。
日本では、もう殆ど見ることが出来ない「根付」という伝統工芸を、是非味わってみてください!!!
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