TERUです。
「クライアントと電話で話をする時には相手が目の前にいるような対応をしなさい」
「相手が電話を切ってから、自分の電話を切りなさい」
会社に入って一番最初の研修で、こういった事を学びませんでしたか?
こちらの動画をご覧下さい。
この動画を作ったのは、アメリカ人のスティーブさん。
日米のセールスマンの仕事の違いを「スティーブ的視点」として紹介しています。
この動画を見てどう感じるでしょうか?
・日本人は生真面目すぎる
・もう少し生産性をあげて仕事をしないと駄目だ
・アメリカ人のように(この動画の中のアメリカ人はやりすぎですがw)、もっと気楽に仕事をするべきだ
・アメリカ人の職場って色々な会話があって楽しそう
等々でしょうか。
僕も日本で6年。アメリカで6年働いた経験を通じての感想ですが、
「日米では相手とのコミュニケーションへの考え方が違う」
という事を、まずは理解するべきだと思います。
そこで、日米のコミュニケーションの違いは、どこから生まれるのか?を考察してみました。
【目次】
1.日米コミュニケーションの違いの理由①
2.日米コミュニケーションの違いの理由②
3.まとめ
4.番外編:日本で携帯電話が普及した理由とは?
日本人:「年長者や他人を敬うこと」が、多くの日本人の特徴。
アメリカ人:「相手とより親しい関係を築くこと」が、多くのアメリカ人の特徴。
この違いは、プライベートの場であっても、仕事の場であっても変わりはありません。
アメリカに来て、年上の人に対して英語でタメ口で話す事に対して、凄く抵抗のある日本人は少なくないと思います。
また、「先輩」「後輩」という概念をアメリカ人に説明するのは凄く難しいです。
アメリカでは、いかに相手と近づくかがマナー
僕が考える日米のコミュニケーションの違いの一つ目です。
これは、どちらが正しく、どちらが間違っている。
という話ではなく、そういうものだ!と理解することが大事です。
ただ、もし・・・
「どうしてアメリカではそうなんだろう??」と疑問に思った方は、アメリカの歴史を学ぶと少し理解できると思います。
アメリカという国のアイデンティティーに関して、過去に記事を書いたことがあるので、参考にどうぞ。
アメリカと言う国は建国時から「交渉」の歴史を繰り返してきました。
その結果、
「いかに相手の懐に入り込むか?がコミュニケーションのキーだったのでないか?」
というのが僕の考えです。
一方、日本は良くも悪くも建国以来、島国に住む日本人特有のDNAを作り上げてきました。
その1つが「おもてなし」ですね。
これは、何百年もかけて日本人が作り上げてきた文化(日本人のホスピタリティー精神)
そう簡単には捨てることは出来ないですし、捨てることがあってはならないと思っています。
東京国立博物館所蔵の松林図(長谷川等伯)をご存知でしょうか?
これは、押しも押されぬ日本の国宝です。
松林図屏風(左隻) ※Wikipediaより
松林図屏風(右隻) ※Wikipediaより
この長谷川等伯の松林図は「美術史上日本の水墨画を自立させた」と言われる、近世日本水墨画の代表作の1つです。
この作品を見るたびに、何故か心が洗われます。
それは何故でしょうか?
日本は、湿気の多い国です。
その高温多湿の風土に住む我々は、
日本という国土が出来て以来「適度な湿度」と共に生きてきました。
古代から日本人は、他人と湿度を共有する事でお互いを理解し、尊重し、支えあってきました。
その後、敗戦後の日本に欧米の文化が入ってきて
「個性の主張」
「精神の自立」
が日本人のアイデンティティーに入り込んできました。
しかし、欧米の文化は、日本人が古来から持ってきた「和をもって尊しとなす」から脈々と続く精神と真逆のものでした。
「個性の主張」
や
「精神の自立」
とは、
誤解を恐れず極端な言い方をすれば
「周りの人間と距離を置き、他人と自分を切り離す」
事だったのでないかと思います。
つまりは、湿度を共有できないのです。
でも、そうなると日本人には湿度が足りなくて息苦しくなります。
長谷川等伯の描いた「松林図」は、モヤっとした中に松林があって輪郭は曖昧だけど、確実にそこに1つの世界観があります。
日本には湿度があって湿気があり、梅雨があります。
この「あやふやだけど、確実に共有できる世界観」が日本人の心をグッと掴んで離さないからこそ、この「松林図屏風」は、国宝として君臨しているのだと思います。
湿度、湿気はモヤっとした霧みたいなものを発生させます。
つまり、湿度、湿気がある事で、人と人の間に見えない壁が生まれます。
それを通したコミュニケーションが、日本人特有の「暗黙の了解」を生んだと思います。
また、『ある程度の湿度がある事で、日本人は風情とかワビサビを感じることも出来るようになったのではないか?』とも思います。
「暗黙の了解=曖昧」と歪曲され、曖昧さは、グローバルな世界では駄目だ!と言われることがありますが・・・
僕はなくす必要はないと思っています。
あくまでも僕の考え方ですが、この「日本人特有の感覚の土台の上」に、「欧米式のスタイル」を乗せることが出来れば、
・世界最強のビジネスマンになれる
・最高のサービスが出来る
と思っています。
そして、それが僕が目指す世界最強のビジネスマン像でもあります。
これからの新しい時代を生きる日本人のキーワードは「和魂洋才」ですね!!
日本国内での携帯電話の普及率を御存知でしょうか?
直近の総務省のデータによると、日本の総人口1億2711万0000人に対して154.0%の値(老若男女を問わず)を示しています。
※BWAをのぞいた携帯電話に限っても123.1%で、120%を突破しています。
Q『この小さな島国で何故、こんなにも携帯電話が普及したのか?』
A.「メールや電話、テキスト、SNSでのやり取りを他人と交わすことで、他人と湿度を共有できる事を体感できたから」
というのが、僕の考えです。
ちなみに・・・
日本よりも夏場の湿度が高い台湾では、もっと携帯は普及しています
これをもっと分かりやすく言うと、、
直接対面でやり取りをするのではなく、
『何かの媒体を通じて相手とコミュニケーションを取る事が、日本人にとっては居心地がいい』
のです!
この感覚は、言葉では言い表ることが出来ない「日本人のDNA」に組み込まれたものなので、無理に取り外すことは今の現代科学では不可能でしょうか。
このように、日米にはそれぞれの歴史、感覚の差があります。
それをお互いが理解しあって、どう吸収し高めていくか?
それは個人の度量に試されます。
※この記事をアップしている2021年2月現在、新興SNSのクラブハウスが、日本人にここまで普及した理由の1つには、
『何かの媒体を通じて相手とコミュニケーションを取る事が、日本人にとっては居心地がいい』
という事もあるのではないでしょうか?
今回の記事が、参考になれば幸いです。
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