マンハッタンに行くと、こういったお土産物屋さんを至るところで見ることが出来ます。
そして、実際にマンハッタンでは、この「I ♥ NY」シャツを着た人を、よく見かけます。
そして、アメリカ各地では「I ♥ 〇〇」というシャツ、グッズをよく見かけます。
それだけ、この「I ♥ 〇〇」というロゴは浸透しています。
そこで
「I ♥ NYのデザインが普及した理由」
に関して、まとめてみました!
【目次】
1.「I ♥ NY」は1977年のニューヨーク州観光キャンペーンが発祥
2.「I ♥ NY」の誕生秘話
3.『♥』が世界に与えたインパクトとは?
4.マンハッタンという街の一員になったと思うことが出来る
1.「I ♥ NY」は1977年のニューヨーク州観光キャンペーンが発祥
1970年代のニューヨークは「犯罪、ドラッグ、暴動等」が街を支配し、治安の悪化がピークに達していました。
その影響で観光客は激減。。。
そこで何とかイメージを回復させるためにニューヨーク州の観光キャンペーンを行うことにしました。
このキャンペーンロゴを担当したデザイナーが、ニューヨーク出身グラフィックデザイナー、ミルトン・グレイザ- (Milton Glaser)氏でした。
写真:ミルトン・グレイザーの作家プロフィールより
2.「I ♥ NY」の誕生秘話
ミルトン・グレイザ-氏は、万人に好かれるロゴを必死に考えていました。
当初は別のデザインでほぼ決まっていたそうです。
しかし、ある日彼がタクシーに乗っていた時に閃いたデザインが今の『I ♥ NY』というデザインだったそうです
LOVEを「♥」という記号に置き換えることで視覚的に愛を強調出来ることに気付いたのです。
このデザインは『LOVE』を『♥』に置き換えただけのシンプルな発想とも言えます。
しかしこの発想こそが国を越えて愛される一つの理由であり、革新的なアイデアとも言えます。
ミルトン・グレイザー氏は
「ほとんどのデザインは、(消費者に)愛着を湧かせるためのものという理論を持っているよ」
と語っています。
ミルトン・グレイザー氏オリジナルのスケッチ
The original taxi sketch, in the Museum of Modern Art archive, for the logo that obliterates Chinatown.
3.『♥』が世界に与えたインパクトとは?
『LOVE』の意味を、『言葉を使わずに海外の人に伝えて下さい』と言われると、実は意外と難しいです。
愛という意味は深いもので、簡単に説明しようとしても意外と何の言葉で伝えれば良いか分からなくなるからです。
しかし彼はその難しい問題を『♥』という一つの形で表し、いとも簡単に世界中の人に伝えることに成功しました。
これはデザインの話に留まらず、グローバル・コミュニケーションの壁を超えるための一つの有効なアイデアとも言えると思います。
『I ♥ NY』のロゴはそういった「グローバル・コミュニケーションの壁を超える技術」が含まれたデザインです!!
そして、この『♥』マークは、様々なロゴとして採用されています。
4.「I ♥ NYシャツ」が、マンハッタンという街へのチケット
『♥』という形が、グローバル・コミュニケーションの壁を超えるための有効なアイデアと書きました。
しかし、僕は「I ♥ NY」のデザインが流行った理由は、他にもあると思っています。
一度マンハッタンという街に降り立ったことがある人は体感することが出来ますが、この街は、365日どの季節に訪れても、エネルギー、活気に満ち溢れています。
人種のるつぼと言われるアメリカの中でも、マンハッタンと言う街は
・特に世界中の人が集まり、
・様々な国のレストランが立ち並び、
・流行の最先端となり、
・アメリカンドリームを夢見る人達が集まっています。
マンハッタンは、中西部の田舎や南部の都市、そしてアメリカの首都であるワシントンDCでも体験できない不思議な雰囲気を持っています。
そんなマンハッタンという街の一員になろうとする人は少なからず居ます。
その為のチケットが「I ♥ NYシャツ」なのです!!
この「I ♥ NYシャツ」に袖を通すと、不思議とマンハッタンの一部に、ニューヨーカーの一員になれる錯覚を持っていると思います。
(僕は初めてマンハッタンに降り立った時に着ましたw)