1月20日(金)は、次期アメリカ大統領の就任式です。
ここで、正式にドナルド・トランプ大統領が誕生します。
首都ワシントンDCでは、就任式の際にはホワイトハウス周辺の道路が封鎖されることになっており、レストラン業界もそれには慣れているのですが、今回は雰囲気が今までの就任式とは、まるで違っています。
今回の就任式は、過去の就任式とは違った意味で注目されています。
※下記は、日本のメディアの報道です)
パレードが行われる議事堂からホワイトハウスへの通り沿いには観覧席が設けられたほか、近くの建物には「ようこそ、大統領」と書かれた横断幕も掲げられ、就任式に向けた雰囲気を盛り上げています。
共和党支持者だという女性は「とてもわくわくしています。これは変革です。政権が変わればこの国はよくなると思います」と話していました。(NHKウェブニュース 1月13日)
米国土安全保障省のジョンソン長官は13日の記者会見で、20日の大統領就任式の人出を70万~90万人と予想していることを明らかにした。
過去最多の約180万人が集まった2009年のオバマ大統領の就任式に比べると約半分。一方でトランプ次期大統領への支持または抗議のデモを予定する団体は99に上り、過去最大規模となりそうだ。(日本経済新聞1月14日)
就任式にあわせ、ワシントンでは多数の団体がトランプ氏の過激な主張や厳しい移民政策に抗議する大規模なデモなどを計画しており、中には、抗議の意思を表すために、就任式に訪れる人たちの手荷物検査の妨害を行って式を混乱させると予告する団体もあります(NHKウェブニュース 1月13日)
さて、所変わりニューヨーク、マンハッタン。
マンハッタン、トランプタワーの前
こちらの写真は2016年クリスマスの日に、NY(マンハッタン)のトランプタワー撮影した写真です。
所狭しとトランプタワーの前の歩道、そして道路を挟んだ歩道には、人が群がっていました。
普段から人通りが多いマンハッタン5番街ですが、トランプ大統領が決定してからというもの、トランプやトランプタワーへの厳しい警備が続いています。
このトランプタワーの影響をもろに受けているのが「ティファニー」
このトランプタワーの横には「ティファニー」本店があります。
(旗艦店であるニューヨーク5番街のティファニー本店)
旗艦店であるニューヨーク5番街の本店は、全世界での売り上げの10%近くを占める店舗です。
しかし、トランプ氏への厳しい警備の影響で、軍艦店の売り上げは減ってしまったようです。。。
しかし、世界全体では増収増益でした。
そこで、ティファニーについて、まとめてみました。
【目次】
1.ティファニーとは?
2.ティファニーの日本での戦略とは?
3.ティファニーのインターネットを利用した戦略
1.ティファニーとは?
ティファニーといえば、言わずと知れた「アメリカを代表する世界のプレミアブランド」です。
2017年で180年を迎えるティファニーは、1837年に創業、1940年にニューヨーク五番街にティファニー本店をオープン。
ティファニーは1837年の創設以来、時を越えて多くの人々を魅了してきて、ティファニーのジュエリー、ウォッチ、そのデザインの数々は何世代にもわたって世界中で愛され続けています。(ティファニーHPより)
ティファニーの名を世界にとどろかせたのは、何と言ってもオードリー・ヘプバーン主演の映画『ティファニーで朝食を』(1961)ですね!!
オードリー・ヘプバーン主演の映画『ティファニーで朝食を』
ティファニーが発表した2016年7月~10月までの3か月間の決算によると、世界全体では増収増益となったそうです。
百貨店を中心に「モノ」消費が落ちる現在。
宝飾品を中心としたジュエリ―も例外ではありません。
その中でもティファニーは、とあるイメージ戦略を使い売り上げを上げています。
ティファニーのイメージ戦略とは何でしょうか?
2.ティファニーの日本での戦略とは?
【日本での戦略】
ティファニ―が日本に進出したのは1972年、もう40年以上前のことです。
(フィリップ・ガルティエ氏)
ティファニーのフィリップ・ガルティエ氏(インタ―ナショナル シニア・ヴァイスプレジデント)はこう言っています。
日本人は、思考質が高い商品を見分ける力はずば抜けていますし、クラフトマンシップ(職人芸・気質)について非常に見る目があります。サ―ビスについても、目が肥えているので店内における接客の質も常に高めています。
2016年現在、ミレニアル世代(1980年代生まれの世代層)に、再びオ―プンハ―トなどが人気です。
デザインは変えたりせず、一方で今の世代にあった見せ方をするよう工夫すれば、再びトレンドは作れるのです。
つまり、日本でのメインの戦略は、ビジネスの基本中の基本である
『ターゲットを明確にする』
という事です。
【ティファニーのグローバル戦略】
また、それに加えて、もう1つ大事なグローバル戦略を持っています!!
それは
「ジュエリーを売るのではなく、ストーリーを売る」
という事です!!
『ストーリーを売る』とはどういう事でしょうか?
それは、ティファニーの3つのグローバル戦略に現れています
1.商品のスト―リ―や背景をしっかり説明すること
2.商品自体が埋もれないように「存在」自体を認識してもらえるような仕掛けをすること
3.この仕掛けを「商品に命を与える」と呼んでいます
今の顧客は、簡単には商品を買いません。
彼らが求めるのは商品に隠れた「意味」です。
その意味とは「ストーリー」を意味しています。
例えば、指輪一つとっても、
「この目の前にある指輪が、デザインが、自分に何をしてくれるのか、これを身につけることによって自分はどうなれるのか」
を求めています。
このストーリーに関しては、こちらの記事(ネットを使い売上げアップさせた事例と、口コミに大事な3要素)で書きました。
こちらの記事の例で示した「トライアングル」のInstagramは、非常にいい例だと思います。
・この水着を身につける事で、どんな自分を演出してくれるのか?
・この水着を身につける事で、自分はどうなれるのか?
を、写真を通じて示してくれます。
3.ティファニーのインターネットを利用した戦略
世界中の全ての世代に共通しているのは、デジタルテクノロジ―(主にSNS)に対して非常に敏感になってきているという事です。
昔は、「ティファニー」=「手の届かない“ラグジュアリ―ブランド”」でした。
しかし、インタ―ネットが当然の世界になってきている現代は、ブランドが近い存在にならないといけません。
テクノロジ―に対する認識を、「使う前提」ではなく、『いかに顧客との接点を増やすかという視点で適材適所で最大限使っていく』事が大事です。
つまり、常に新しいビジネスモデルを導入する姿勢を持ちながら、テクノロジーを使うこと自体が前提にならないようにするという事です。
【ティファニー社の調査】
ティファニーの自社調査によると、最終的な購買決定をした顧客の8~9割が、
・お店に来る前にオンラインで商品を見て
・店舗で一度はその製品を見て触った
という結果も出ているようです。
この結果からも分かる様に、商品を購入する決断にインタ―ネットの情報がかなり影響を与えているのは明らかです。
ティファニーでは、オンラインでお客様に対して最大限の体験をしてもらうことは非常に重要という視点から、「デジタルセントラルチ―ム」を立ち上げ、オンラインを巻き込んだ購買体験というものを組織的に根本から考え直しているようです。
※こちらの記事は、「日経ビジネスオンライン2016年11月24日」を参照いたしました。