笑い、涙あり。同姓に襲われかけた四国歩き遍路で何を学んだか?

四国歩きお遍路で出会った人達

 

無事、コンビニで朝食を済ませた僕は、4番霊所へと向かいました。

その後も、
・5番霊所
・6番霊所
・7番霊所
と順調に進む中、5番霊所あたりから、毎回寺で出会う老紳士のお遍路さんが居ました。

 

今までの道中でも何度か顔を合わせていたので、
自然と挨拶を交わすようになり、
自然と一緒に歩き始めました。

話を聞くと、Aさん(仮)は、名古屋出身の方。
夫婦でずっと喫茶店を経営されていたそうです。

そして、去年奥様を亡くしたAさんは、凄い脱力感に襲われ、お店をたたみました。

半年ほど何もする気が起きず、過ぎ行く日々を、ただただ廃人のように過ごしてらしたそうです。

 

そんな日々が続いたある日の事。

夢の中に奥様が現れ、
「昔、四国に一緒に行ったわね。また一緒に行きましょう♪♪」
と笑顔で奥様が仰ったそうです。

お遍路では、「同行二人」という言葉があります。
この言葉は、
『お遍路さんは一人で歩いていても、常に弘法大師がそばにいて、その守りを受けている』
とされています。

そして、遍路で使われる杖には弘法大師が宿ると言われています。

 

Aさんは、
『自分は奥様と一緒に旅をしている』
と仰っていました。

そうして、ずっと礼所を回っているとのことです。
実は、今回のお遍路は既に2周目との事。

世俗から離れる事で
・奥様とけんかした事
・一緒に出かけた思い出
・喫茶店での色々な思い出
などを、一つ一つ思い出しながら遍路を楽しんでいるとのことでした。

 

これは、近くに奥様を感じているという類の話ではなく、
この世には存在しない事はわかっている。

が、自分の中に奥様がずっと生きているのを感じている。
とのことでした。

この話を聞きながら、目薬も差していない僕の目から水が滴れ降りてきました。

 

そして、辺りが暗くなり始めた頃、、、

「ところで、今晩の宿はどうするんですか?」
と聞くと、
「お勧めがあるよ」
と言う事で、一緒に宿に行く事になりました。

どんな苦行がその宿で行われるかは、この時は知る由もなく・・・。

 

 

四国には、歩きお遍路さん用の宿を無料で提供しているところが沢山あります。

今回紹介していただいた宿も、そのうちの一つでした。

そこは、地元のタクシー会社の2階の空き部屋。
※このように、地元の方々が無料の宿を提供してくれています。

そこには既に2人のお遍路さん(Bさん、Cさん)が来ており、
夜はAさんと僕も含めた4人で、色々な話をしました。

Aさん:推定60歳くらい
Bさん:推定40歳くらい
Cさん:推定20代後半
TERU:23歳

 

年齢だけ見ると、そこそこバランスが取れていそうですが。。
その中身が半端なかったです。

Bさんは、大道芸人さん。北海道から流れ流れついて、今は四国に居る。
Cさんは、新潟のお寺の跡取り息子。修行と言う名で追い出され、今は四国に居る。
という、経歴の持ち主達。

 

3人の人生の先輩方から色々な話を聞き、夜もふけた23時頃。
「では、そろそろ寝ますか」
という事で、雑魚寝スタート。

ただ、この宿では、思いもしない苦行が待っていたのです。。。

この日は、この夏一番と言われるほどの熱帯夜。。。
そして、狭い部屋に大の大人が4人。

そこに、扇風機は一つ。。。

23歳の若者に、扇風機の風に当たる権利はありません(笑)
ありえない通気性の悪さと湿気、そして暑さの元では熟睡など出来ません。

 

外では、鈴虫が素敵な合唱をしている中、、、
室内では、耳栓も通用しないオジサン達のイビキの大合唱・・・(泣)

さらに、追い討ちをかけるように、23年間の人生の中でも経験した事がない事が起こったのです!

 

Bさん(大道芸人)が、僕に抱きついてきたかと思ったら、僕のでん部を下から撫でてくるではありませんか!
僕は、森蘭丸じゃないし、Bさんも織田信長でもない。

そんな趣味は無いので、僕はソソクサと部屋の端っこに逃げました。
そして、そこは扇風機から一番遠い場所だったのです。。。(泣)

明日こそは、普通の宿に止まるぞ!
と決意した熱帯夜でした・・・。

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