TERUです。
2~5月の間、日本では黄砂に悩まされますね。。。
黄砂による被害
今回の記事では、
・黄砂とは何なのか?
・黄砂の原因とは?
を、説明します。
【目次】
1.黄砂とは何なのか?
2.黄砂の原因とは?
3.まとめ
1.黄砂とは何なのか?
【黄砂とは?】
・石英や長石、雲母などの鉱物が混ざった鉱物粒子
・スギ花粉の30μmよりも小さい4μmほどの大きさ
【黄砂の発生場所は?】
発生場所:中国大陸のタクラマカン砂漠やゴビ砂漠。
黄砂の発生地域
日本で、黄砂の影響があるのは、2~5月です。
何故、この時期に多いのか?と言うと。。
春先に、砂漠から舞い上がった砂が、偏西風に乗り東アジアに飛んでくるからです。
2.黄砂の原因とは?
現在の黄砂の原因は、「自然現象」ではありません!!
元々、中国では、紀元前 (BC) 1150年頃から「塵雨」として文献に出てきます。
※「雨土」「雨砂」「土霾」「黄霧」などの呼称があったようです。
また、日本でも、江戸時代頃の書物に「泥雨」「紅雪」「黄雪」などの黄砂に関する記述があるようです。
黄砂の強さや頻度は、
・土地の乾燥化
・降水量の変化
・砂塵嵐を発生させる暴風の発生頻度
・天候パターンの変化や
によるものだと言われています。
しかし、これは根本の原因ではありません。
キーワードは、『中国の砂漠化の進行の増大』です。
では、何故中国では砂漠化が進行しているのでしょうか?
これを知る為には、中国の歴史を知らなくてはいけません!
【中国の歴史】
中華人民共和国は1949年に誕生しました。
「建国の父」と呼ばれる初代最高指導者の毛沢東は、『大躍進政策』を掲げました。
大躍進政策とは、1958年から1961年までの間、中華人民共和国が施行した農業・工業の大増産政策のことです。
「建国の父」と呼ばれる初代最高指導者の毛沢東
毛沢東は、
「数年間で、経済的にイギリスを追い越す」
事を国の政策として進めていきます。
※「アメリカを追い越す!」といっていたのはソ連だったので、毛沢東はアメリカの次に経済が発展しているイギリスを目標にしました。
【中国(毛沢東)の国策】
イギリス経済が発展した理由は、何でしょうか?
『産業革命以来の鉄鋼業の歴史』
です。
そこで毛沢東は、鉄鋼生産を主な国策とします。
そこで、まず毛沢東は、各地の農家に「土法炉」を作るように指示します。
毛沢東が作らせた土法炉
※土法炉とは、手作りのミニ製鉄所です。
【大躍進政策による影響①】
土法炉を使る為には、火に強いレンガが必要になります。
しかし、当時の中国には耐火レンガを大量に作る技術などありませんでした。
そこで、中国各地に点在する寺院のレンガに目をつけました。。。
その結果、
・煉瓦製の塔・寺院・城壁など、中国全土で多数の歴史的建造物が、土法炉建設用の煉瓦採取の目的で解体・破壊される
という結果を生みました。
【大躍進政策による影響②】
鉄を作るための原料である鉄鉱石は、石炭同様産地が限定され、供給不足。
当時、多くの地方では砂鉄の入手すら困難な状況にあった為、都市部では鉄製の各種設備・構築物を解体し、農村部では鉄製の農機具・炊事用具を供出させられました。
その結果、
・住居を追われた多くの住民が凍死。
・農民の保有する鍋釜、農具まで供出されたために、地域の農業や生活の基盤が破壊。
という結果を生みました。
しかし、あらゆる粗悪な鉄製品を使用したために、1117万トン生産された鉄の内、60パーセントが全く使い物にならなかったと言います。。。
伐採の対象は共産主義という政策上、果樹園の果樹・園芸用の灌木も例外ではなく、あらゆる樹木が伐採されました。その結果、
・森を伐採するために農民が借り出されたために、農地は荒れ果てる。
・森が伐採されたために、黄砂を遮る壁がなくなる。
・あらゆる木材が伐採されたために、洪水発生率が上昇
という結果を生みました。
こういった愚策の結果、
①砂漠から飛んでくる黄砂を防ぐ壁(森林)が減った
②黄砂が東アジアまで飛来する
という事になります。
大躍進政策が黄砂の原因ではなく、黄砂が東アジアまで今まで以上に飛んでくる原因の1つであった事は間違いないですね。
その後の中国は、鄧小平の手により「社会主義市場経済」を推進していきます。その結果、中国は「社会主義国家でありながら、資本主義経済を推し進める」という矛盾を抱える国に変貌していきます。これは、何を意味するのか?「社会主義市場経済」=「むき出しの資本主義」=『金儲けのためなら何をしてもいい!』
という事です。
この政策は、現在にも続いています。
ちなみに、、、
もちろんですが、政治は国家主導でやっています。
【ソ連崩壊後の中国】
そして1991年のソ連崩壊により、世界で一番の社会主義国家となった中国はやりたい放題の国になっていきます。
そして、森林は更に伐採されていきます。
(木材の輸出なども大きな要因です)
【中国の深刻な砂漠化問題】
森林伐採は、砂漠化の原因の1つでもあります。
☆砂漠化の仕組み☆
森林が伐採され表土が剥がれる
↓
砂の層が表出する
↓
土地は保水力を失い乾燥する
↓
強風に砂が流される
↓
砂丘が形成され流動がおこり、砂漠化が加速する
内モンゴル自治区では、、砂漠化は問題になっています。
内モンゴル自治区の使用可能な草原の面積は、1960年の82万k㎡から、1999年には38万k㎡に減少しました。
2016年1月1日、中国国家林業局の張建龍(ジャン・ジエンロン)局長は、下記のように発表しています。
「中国の土地砂漠化と荒れ地化は依然として深刻で、環境保護や整備が難しい状況が続いている。砂漠化は国土面積の6分の1以上、荒れ地化は同4分の1以上に上る」
【森林伐採による黄砂の影響】
また、中国華北地方での黄砂の量は、2000年代に入って増加しています。
また、こちらのグラフ(日本の過去40年間の黄砂観測日数の推移)によると、1990年代後半から黄砂観測の日数・延べ日数が増加しています。
日本の過去40年間の黄砂観測日数の推移
3.まとめ
黄砂に関して、
・中国建国の歴史
・何故、中国が森林を伐採したのか?
・ソ連崩壊後の中国の政策
などを一緒に見ることで、現在の中国の政策も見えてきます。
インターネットで「黄砂」と検索すると、「人体への影響」が多く出てきます。
黄砂が人体に与える影響は、
・ぜんそくなどの呼吸器疾患
・結膜炎などの眼科症状
・心臓や脳の循環器疾患
・アレルギー症状
等が言われています。
「黄砂」による人体への影響を考える事は、勿論大事な事です。
しかし、それ以上に、
・何故、黄砂被害がここまで広がっているのか?
・何故、中国は森林を伐採したのか?
を考えるほうが、もっと大事だと思います。
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黄砂に関しては大躍進政策は関係ないっていうデータもあるからしっかり調べようね。てか過去記事も見てみたんやけど、あんた、つまらん記事をほぼコピペで使いよるやろ。頭使いーな。
やすさん
コメント有難うございます。
「神なるオオカミ」という本から、文化大革命の頃から内モンゴルの草原に人々が入り込み、家畜を飼い草食動物の天敵オオカミを絶滅したことにも黄砂の原因があると私は深読みましたが。
「内モンゴル自治区の使用可能な草原の面積は、1960年の82万k㎡から、1999年には38万k㎡に減少しました。」納得です。黄砂の原因の1つが分かりました。
しかしオオカミを絶滅した日本の今後大丈夫ですか?心配です。鹿や猪の食害で下草が無くなって大雨の度に大洪水のニュース。温暖化に気象異常だから、避難し身を守るのは自分でやって下さい。とテレビそれだけを言っていますが。
大庭様
コメント有難うございます(返信が遅れてしまい申し訳ございません)
「神なるオオカミ」のご紹介も頂き、誠に有難うございます。
この視点は無かったので、大変勉強になりました!
温暖化についても、今後記事を書いてみたいと思います