TERUです。
ヤフーニュースで、こんなニュースが流れました。
「CIAが歴史的な「機密地図」の数々を公開」(2016年11月30日)
記事を要約するとこういうことです。
【75年間におよぶ貴重な戦略的地図、日本の戦中食料供給マップも】
2001年9月11日の米同時多発テロの直後、ジョージ・W・ブッシュ大統領と数名の閣僚はキャンプ・デービッドに集合し、米国が採るべき選択肢の検討を行った。
彼らの目の前のテーブルには、米中央情報局(CIA)が製作したアフガニスタンの地図が広げられていた。
9.11以降、テロリストのネットワークを追跡し、また2011年のウサマ・ビンラディン捕獲作戦をはじめとする米軍の作戦をサポートするために、CIAは数千枚にも及ぶ地図を製作することになるが、これはその最初期の1枚だ。
【何故、今公開なのか?】
CIAの地図製作部による仕事の大半がそうであるように、こうした地図は機密とされ、目にすることができるのは諜報関係者や政府の最上層部に限られていた。
しかし今年、地図製作部が設立75周年を迎えたことを記念して、CIAは機密扱いを解除したすばらしい地図のコレクションを公開した。
【目次】
1.CIAが公開した地図の中身とは?
2.そもそも地図の目的とは何なのか?
3.地政学で最も重要なのは、地理的制約条件
4.まとめ
CIAの地図製作部は、米国が第二次大戦の参戦へと進んでいく時期に誕生しました。
日本による真珠湾攻撃の後、ロビンソン氏率いる地図部門は本格的な活動を始め、
戦時中の戦略立案に使用される地図を量産していくことになります。
戦争の戦略上、地図製作者はアメリカ軍において、広範な任務を担っていました。
すなわち、『国家安全保障に関わる地図と地理データとを入手および製作するという仕事』です。
CIAによる解説にはこう書いてあります。
「(CIAの)地理学者と地図製作者は、世界最大となる地図のコレクションを収集し、また戦略研究と軍事作戦計画をサポートするために、戦略地図や石膏の立体地形模型を製作しました」
以前、こちらの記事(地政学の基礎を分かりやすく。世界の見方がガラッと変わります!)の中で、地図の事に関して、こう説明しました。
「大航海時代(15世紀半~17世紀半まで続いたヨーロッパ人による、インド・アジア大陸、アメリカ大陸などへの植民地獲得競争をかけた海外進出)の時代に、国家的規模で収集された世界の各地域に関する”地理的”な知識が整理された。」
これを地理学として体系化する事から地政学はスタートしています。
・どのような人が住んでいるのか?
・どんな宗教が存在するのか?
・どのような思想を国民は持っているのか?
・どのような歴史的背景があるのか?といったような事も徹底的に調べあげ、「その土地、人を支配する学問」として発展していった。
つまり、地図、地理学が地政学の基礎になっているのです。
地図に関して、更に掘り下げて説明したいと思います。
何故CIAが、こんなにも地図を作成し、重要視したのか?
その答えは、
『地政学で最も重要なのは、地理的制約条件だから』
です。
もし日本人1億2000万人が別の国に移動したとしても、
「日本」という土地は「君の名は」で出てくるような大きな彗星が落ちてきて消滅でもしない限り無くなりません。地政学で重要なのは、地理的制約条件です。
しかし、この地理的制約条件が、地理政治や軍事にどれだけ影響を与えるのか?
を、学校では学びません。。。戦後の地理学では、「地史」「自然地理」「人文地理」を混ぜて、教えています。
どちらかというと地学で扱うテーマが主です。特に、小学校・中学校の地理は
・地図記号の暗記
・各地域の名産品
・国の事情(人口や名産品、産出品など)
などを教わります。。。
それと、各国事情がどうなっているかということばかりで、
・地理と人間の経済が、どういう関係にあるのか?
・地理と人間の政治が、どういう関係にあるのか?
ということについては、殆ど扱いません。
これは、戦前の日本の地理学が、ほとんど地政学だった事に対する反動です。
(戦後、GHQの教育改革により、日本の地理学は葬り去られてしまいました)
※これに関しては、こちらの記事(2/11は建国記念の日。日本建国の歴史とは?世界の建国記念日との違い)に詳しく書いてあります。
マッキンダーの主張を一言で言うと、
「ドイツ人の地政学的な考え方を警戒しろ」
という事です。
マッキンダー地政学の26ページの最後の行にはこう書いてあります。
しかし英米両国人の中で、過去約1世紀間ドイツの国民教育において地図が果たした役割の重大さに気づいた者が、果たしてどれ位いるだろうか?」
【ヨーロッパ人と日本人の地図の見方の違い】
ドイツ人だけではなく、チェコ人もポーランド人もロシア人も地図をよく読むことが出来るそうです。
でも、殆どの日本人は地図を二次元でしか読めません。
ところがドイツ人たちは、地図の色んな記号を見ただけで、そこにあるものが映像で浮かんでくる。
それはどうやって立体的に地図を読むかについて教育を受けているからです。
そうすると一枚の地図を見ることによって、三次元の立体的空間的感覚がつかめるようになるのです。
マッキンダーの地政学ーデモクラシーの理想と現実
「現代の地政学」佐藤優(著)
今、中国政府、軍は地政学を異常なほどに学んでいると言います。
地政学は、使い方によっては「その土地、人を支配する学問」です。
以前の記事(池上彰氏も教えない「正しいニュースの見方」を学び、世界情勢を知る )で、韓国でのデモの話を書きました。
そして、今回韓国の朴槿恵大統領が辞任を表明しました。
中国にとっての朝鮮半島は、何百年もの昔から属国の扱いです。
しかし、韓国がアメリカよりの行動をしたために、
・中国国内で禁韓令を施行したり、
・AIIBの韓国人副総裁を退任させたりしたり
しています。
今後、韓国の新政権は中国寄りの政策をしていく事は明らかです。
そうなると、
・韓国による、更なる反日活動
・慰安婦像の更なる設置
という事をもって過激に行ってくる可能性があります。
※慰安婦像と中国の関係に関しては、こちらの記事(慰安婦像問題は、トランプと中国の関係が問題を悪化させている)をご覧下さい。
この記事では、トランプと中国の関係が「日韓の慰安婦像問題を悪化させている」という視点で書いております。